崎永海運(株)代表取締役社長 北川 栄太・やまき産業(株)代表取締役社長 崎永・崎永海運(株)海運部 吉田
feature カレートーク

たかしま農園初の加工品「大人のトマトカレー」ができました。
カレー開発にかかったのは約2年。
「大人のトマトカレー」完成までをプロジェクトの中心メンバーで振り返ります。

振り返る人

崎永海運(株)代表取締役社長 北川 栄太
やまき産業(株)代表取締役社長 崎永 信子
崎永海運(株)海運部 吉田 法史

※役職等は対談当時のものです。

対談の日付・場所

2016年9月
崎永海運(株)トマト事業部 (長崎市高島町)

カレートーク 前編 大人のトマトカレー、できました!(前編)

まずは自己紹介をお願いいたします。

崎永:

崎永信子です。今回、カレー開発に当たっては中心となって動きました。メンバーの中で唯一の女性で「主婦」です。お買い物も、お料理も、女性がされることが圧倒的に多いと思い、主婦目線を取り入れようと言うことで私が担当することになりました。

北川:

私はプロジェクトが進むように時折のぞいて声をかける役割でしょうか。それまで、私の方で担っていた農園の仕事を吉田君に手伝ってもらおうと思い、声をかけたのです。

吉田:

私は、通常、海運部で船の営業をしています。それまでトマトのことにはノータッチでしたが、カレーがそろそろできあがるという段階になりプロジェクトに加わることになりました。

今回カレーが発売されましたが、カレーに行き着くまでに、10年前からトマト加工品に挑戦されていたそうですね。

崎永:

そうなんです。カレーの前に、いろんな加工品を、自宅で試作してみました。なぜ、加工品を作ろうと思ったかなのですが、4ヶ月しか収穫できないトマトを年間を通して楽しんでいただける加工品を用意したいという思いとは別の、もっと根本的な理由があったんです。

大人のトマトカレー
トマトとタマネギ、本格的なスパイスで仕上げた。トマトのコクと酸味がいきる味。トマトの食感を可能な限り残す加工にしている。

実りはじめのトマトだっておいしい!

崎永:

まずはトマトの成長の仕方の話になってしまうのですが・・・皆さんはトマトが実っているのを見たことがありますか?

たかしま農園のトマトは、苗から7~8メートルくらい茎が伸びます。最初はふつうに水をあげて、茎を伸ばしていくんですよ。

たかしま農園のトマトは成長する力の強い「ファースト」という品種なのでなおさら伸びるんです。実がなるのは地面に近い根本から徐々に上へあがっていきます。

7~8メートルも伸びるんですね。トマトがそのように根元から実っていくとは知りませんでした。

崎永:

たかしま農園のトマトと言えば甘いイメージですよね。ですが、最初は水分が多く甘みがそこまで強くないトマトもできるんです。酸味もあり甘みもあることで、コクがあってまたちがった美味さがあると感じていました。これを活かしたいと思っていたんです。

甘いだけのトマトではないと言うことなんですね。

北川:

信子社長が中心になったのはその「主婦感覚」が頼りでした。材料を活かして美味しい料理にする。その常日頃のスキルを貸していただこうと思っていました。

北川社長

試作の日々

試作ではどんなものに挑戦されたんですか?

崎永:

大量のトマトをコンテナごと抱えて持ち帰り、自宅のキッチンで湯むきにして計って・・・。ピューレ、ドレッシング、ジャム、ゼリー・・・キッチンのテーブルにたくさんのカップを並べて詰めて・・・思いつくものはこの10年の間にだいたい試しました。キッチンが試作だらけになって、最後は会長である夫も見かねてジャムの瓶詰めを手伝ってくれたこともあったんですよ。ドレッシングの試作中にフタがポーンと飛んで言ってしまったこともありました。たくさん試作する中で、味が良い物もいくつかありましたが、賞味期限が短すぎたり、工場の確保が難しかったり、試算をすると事業として成り立たないことがわかり、なかなか商品化まで至るものがなかったです。

カレーの開発までにはどのような経緯があったのですか?

崎永:

カレーといえば今や国民食です。我が家でもよく作る料理ですが、最初に思ったのがトマトの水分だけを利用してカレーライスを作れないか?ということでした。材料はシンプルにトマトと玉ねぎだけで水分を一切入れずに作ってみたら酸味がきいていておいしかった。1週間くらいの期間で、集中して割合を試してみました。トマトと玉ねぎ5対5の割合でやってみるとおいしかったのです。少しずつトマトを減らし、最終的にこのバランスにたどり着いたのです。

北川:

今回は、実現化するためのハード部分を吉田君が整えてくれました。目指す味をつくるために各業者様と交渉して、ライン確保、継続するための仕組みを作ってくれたのは大きかったですね。

吉田さんはいかがでしたか?ハード面の整備は大変だったのでしょうか?

吉田:

カレー開発や工場の方とのすりあわせそのものはイメージよりスムーズにまとめられたと感じました。それよりも、販売ルートのイメージがはっきりしていなかったため、「作って売れるのかな?」という不安はありましたね。北川社長は「大丈夫」「なんとかなるさ」というポジティブな思考なので、どちらかと言えば不安の方を強く感じる私と、足して2で割ってちょうどいいバランスが取れたと思います。

吉田さん・﨑永社長

最終的に風味を詰めるときにはどのように決定されたんですか?

北川:

試作と試食の繰り返しですね。このやりとりで最も苦労したのが吉田君です。

吉田:

日本人は、やはりカレーがとても好きなんだと思うのです。皆さんそれぞれの理想のカレーがありますし、関係者の試食を中心にするところからはじめたところ、みなさんはカレーへの思い入れプラストマトへの思い入れもあります。カレーとトマトに思い入れのある方々が、「ご試食アンケート」上で、強い意志を表明されるんです。そのとりまとめが・・・。

北川:

大変だったよね。

吉田:

何も意見がないよりもありがたいのですが、それぞれになるほどと思えるアンケート結果なので、どうまとめていいか大変悩みました。私も5時間くらいかけてカレーを作ったりして・・・。

北川:

私は特に思い悩むことはなく、ひたすらカレーの完成が楽しみでした。家族にはパッケージの候補を見せて「たかしま農園のトマトでカレーができるんだよ!」と。家族も「食べてみたい!」と興味津々でした。

崎永:

今度は北川社長もカレーを作ってくださいね。(笑)